-7 -  「チームコーチングや組織開発のROIは測れますか?」

「チームコーチングや組織開発のROIは測れますか?」

前回の投稿では、経営者や現地法人責任者の方々とのOne on Oneコーチングの視点から、
「判断の質」とROIについて触れました。
経営の意思決定の質は、まず個人の思考のプロセスから変化していきます。
そしてその変化は、やがてチームの対話や組織全体の意思決定のあり方にも影響を広げていきます。
では、チームコーチングや組織開発のROIはどのように測れるのでしょうか?
多くの企業では、会議や報告の場は十分に設けられていると思います。
それでも意思決定が遅くなったり、同じ議論が繰り返されたりすることがあります。
その背景には、個人の能力ではなく「組織の対話のあり方」が影響していることがあります。

例えば、
- 部門ごとに状況の理解や前提が揃わないまま議論が進んでしまう
- 組織にとって本当に重要な論点が、対話の場に十分に現れてこない
- 最終的な判断が経営者個人の意思に依存してしまう

こうした状態では、組織として「何を基準に判断するのか」という共通の軸が
十分に共有されていないことがあります。
チームコーチングや組織開発が扱うのは、個人の能力そのものではありません。
組織の中でどのような対話が行われ、
どのように意思決定が形づくられているのかという関係性のプロセスです。
ただし、対話の構造だけを整えればよいわけではありません。
組織の対話には、必ず感情や心理的な距離が影響しています。
表面的には議論が行われていても、

- 感じている違和感を言わない
- 立場を気にして意見を抑える
- 衝突を避けるために本音を出さない

こうした状態では、対話は形式的なものになりやすく、「やるべきこと」を頭で確認するだけの会話になってしまうことがあります。
チームコーチングでは、こうした状態を少しずつほぐしながら、
メンバー同士が率直に感じていることや考えていることを安心して共有できる対話の場をつくっていきます。
いわば、少し勇気のいる率直で本音に近い対話です。

そのような対話が続いていくと、チームの心理的な距離が少しずつ近づき、組織の中に新しい対話の前提が生まれてきます。
それは、
「率直に話してよい」
「違いを持ち寄ってよい」
「対話の中で考えてよい」
という関係性の前提です。

こうした対話が根付いていくと、
組織のパーパスやMVVは
単に掲示された言葉として存在するのではなく、
日々の対話や意思決定の中で意味づけられていくようになります。
そして組織の判断や行動は、特定の個人の意思だけではなく、
チームとしての集合的な意思として形づくられていくようになります。
このような変化は、短期的な数値として測れるものではありません。
しかし経営の視点で見ると、これは、
組織がどのように考え、
どのように対話し、
どのように意思決定するのか
という組織の力への投資とも言えるのではないでしょうか。
その力が高まっていくことこそが、チームコーチングや組織開発のROIとして現れてくるのだと思います。

個人の思考が変化すると、対話が変わります。
対話が変わると、組織の意思決定が変わります。
そしてその積み重ねが、組織文化の変容へとつながっていきます。

皆さんの組織では、重要な意思決定はどのような対話の中で生まれているでしょうか?

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