-17 - タイの日系企業で起きていることは、少し先の日本の姿かもしれない。

タイの日系企業で起きていることは、少し先の日本の姿かもしれない。
VUCA、そしてBANI、
言葉の定義はともかく、世界を見渡してみれば「これまでの延長線上では先を読むことが難しい時代」に入っていることは多くの方が実感されているのではないでしょうか?
地政学的な変化、気候変動、そして国家や社会を支えてきた既存の価値観そのものの揺らぎ、
そして生成AIの急速な進化。
その先にはロボティクスやフィジカルAIがあり、シンギュラリティについてもさまざまな議論がされています。
こうした変化を見ていると、今、タイの日系企業が直面している局面は、決して「タイだけの問題」ではないように思えてきます。
これまで競争力の源泉だったものが、
必ずしもこれからも競争力であり続けるとは限らない。
これまで有効だった経営や組織のあり方が、
これからも最適とは限らない。
そして、人材や意思決定のあり方そのものも変えていかなければならない。
タイの日系企業が今直面しているこうした課題は、もしかすると、これから世界のさまざまな場所で、
そして遠からず日本でも直面する課題なのかもしれません。
だからこそ大切になるのが、経営層・リーダーのマインドセットだと思います。
この変化を「これまでのものが失われていく時代」とネガティブに捉えるのか、
それとも「新しい可能性が生まれる時代」と捉え、変化を受け入れながら、自らも柔軟に変容していくのか。
その違いは、これからの企業の姿を大きく左右するのではないでしょうか。
同時に、企業と個人の関係も変わりつつあります。
会社が自分の将来を用意してくれることを前提にするのではなく、そこで働く一人ひとりが、
「自分はこれからどう生き、どう働いていきたいのか」
を自分自身で描いていくことが、これまで以上に求められる時代になっています。
これは現地法人のトップにとっても同じです。
自分が預かっているこの会社を、これからどのような会社にしていくのか?
そして、
自分自身は、これからどのような人生を歩んでいきたいのか?
この二つを真剣に考えることは、これまでであれば「重要だが緊急ではないこと」として、
なおざりにされがちだったのかもしれません。
しかし、組織も人も、一朝一夕には変わりません。
変容には時間が必要です。
だからこそ、先が見えない今だからこそ考え始める。
まずリーダー自身が考え、対話し、小さくても一歩ずつ行動に移していく。
未来を正確に予測することよりも、正解のない変化の中で自分たちの未来を自分たちで創っていく力。
これからの経営には、そんな力がますます求められていくのではないでしょうか?



